ラメリックは自宅の裏の道を歩いていました。

ラメリックが歩いている3メートル位先をオレンジ色のゴルフボールのような物が横切りました。

ボールが来た方向をみると、そこには大きなビワの木があり、男性の方が高いところに登り、木のそばには女性の方がいました。
息子さんがビワをもぎ、お母さんがその袋を受け取っている様子でした。

ラメリックは反射的にゴルフボールのように転がったビワを拾い上げ、ご婦人に持って行って手渡そうとしました。

「これ、あちらに落ちてました。」

そうすると、ご婦人が

「ビワは食べないですか?」

ラメリックは突然聞かれ不意を突かれたので、思わず

「ビワは大好きです。」

と答えると、笑顔になったご婦人が

「もしよかったら、どうぞ召し上がって下さい。」

ラメリックはその手の中にある一粒のビワを見て、飛び上がって喜びました。

「え~、いいんですか~ 嬉しいです。いただきますね~。」

と、お礼を伝えると

上にいた息子さんが、喜んでいるラメリックを見て

「よかったら、こちらごとどうぞ~。」

と言って、つみ始めたばかりの袋に入ったビワをラメリックへ差し出しました。

ラメリックはまた、飛び上がって喜び

「ありがとうございます。ホントにありがとうございます~。」

ばかりを繰り返し

大きなビワの木を見上げてお礼を言いました。

そういえば、そのビワの木が実をつける度に、ラメリックは勝手に鳥を羨ましく思っていました。

ラメリックはその実は誰も収穫せずに鳥たちが食べていると思い込んでいたのです。

多分、鳥たちがビワの実をつついて食べていたのを見かけたからだと思います。

そのビワの木の前を歩きだして8年経っていました。

あの木のビワを食べてみたいというラメリックの願いは9年目にして叶いました。

なんでも、諦めずに待つことは大事なのかもしれません。

願いは、忘れたころに叶うと
そういえば、誰かに聞いたことがありました。

いただいたビワたち

いただいたビワたち