京王井の頭線の吉祥寺から渋谷へ向かう通勤電車で、ラメリックは桜が見える位置に座りました。

桜の時期になると、高井戸から浜田山駅までの間に咲く桜たちをみるのが日課になっています。

この日も久我山を通り過ぎたあたりから、窓の外へ注意を向けていました。

ラメリックの前に立っていた年配のご婦人は、富士見ヶ丘駅を過ぎて高井戸駅にさしかかるあたりから、つかまっていたつり革の手を逆の手に持ち替えて、身体ごとクルッと反対側を向きました。

桜を見る準備があまりにあざやかだったので感心してしまいました。何年やったらそんなふうに出来るのでしょう。

ラメリックは、高井戸の桜を見ている間中、自分の小さい頃や、母との思い出、父との思い出が、どんどん自然に浮かんできます。普段は覚えていない思い出までが蘇ります。

ご婦人は高井戸の桜を見ながらどんなことを感じているのでしょう。